VPN接続が遅いとき 原因と対策
バーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)は、パブリックIPアドレスを隠し、すべてのオンライン活動を効果的に暗号化し、地理的な制限を回避するのに役立ちます。
これにより、オンライン上でより多くのプライバシー、匿名性、およびセキュリティを得ることができます。
しかし、VPNに関する最も頻繁な主張は、インターネット通信接続速度を低下させるというものです。
VPNが本当にインターネットの接続速度に影響を与えるのか、VPNがなくてもインターネットが遅くなる理由、接続速度が遅くならいこととVPNによる保護を両立させる方法について説明します。
インターネット接続速度が遅い理由
インターネット接続の速度は、異なる原因によって低下する可能性があり、多くの場合、VPNを使用することが主な原因ではありません。
さらに、VPNがインターネット接続速度の低下の解決策となり、VPNを使用することでインターネットをより速くすることができる場合もあります。
通信速度が遅い主な理由を見てみましょう。
速度が遅いインターネットプラン
お使いのインターネットプランが古くなり、ニーズに合わない速度を提供している可能性があります。
例えば、最近リモートワークを始めた、もしくあh子供がオンラインゲームをよくするようになったなど、他のプランを選択する時になった可能性があります。
また、ルーターに接続されているすべてのデバイスは、プランの帯域幅を共有していることに留意してください。
ご家庭で誰かが積極的にインターネットトラフィックを使用して、大きなファイル(例えば、超高精細映画)をダウンロードする場合、インターネットの速度が低下する可能性があります。
ISP(インターネットプロバイダ)がインターネット速度を遅くする
お住まいの地域によっては、ISPが合法的に帯域幅を調整することが許可されている場合があります。たとえば、ISPが望む以上にあなたがテレビをストリーミングしたり、競合他社のウェブサイトへの接続速度を遅くする場合などです。
VPNを使用すると、この問題を解決することができます。
Wi-Fi接続
Wi-fi接続を使用すると、家のどこからでもWebにアクセスできますが、Wi-Fi経由で得られる速度は、有線経由の速度よりも遅くなることがよくあります。
Wi-fiの場合、データパケットは、機器とルーターの間を不安定な無線信号で移動するため、エラーが発生しやすく、干渉しやすいのです。
テレビなどの据え置き型機器は、なるべくネットワークケーブルで接続することがおすすめです。
ルーターの設置場所
すべての機器が強い電波を受信できるように、Wi-Fiルーターの適切な場所を見つけることが重要です。
ルーターは全方向に通信を送信するため、家・アパートなどの中心部に設置するのが最も良い選択です。
壁を通過するときに電波が弱くなることにもご注意ください。
接続されたデバイスの配置ポイントからルータが直接見えるようにするのが最適です。
また、電波が届く範囲が適切であるのに十分な性能を持っているルーターモデルが必要です。
トラフィックサージで殺到して動かなくなる格安ルーター
ルーターの内部では、かなりの量の作業が行われています。
ルーターは、ネットワーク上で送信されるすべてのデータパケットを「再梱包」します。
これは、CPUを集中的に使用するので、安価なデバイスは、トラフィックの必要量を消化するのに十分な計算能力を持っていない可能性があります。
したがって、トラフィックを積極的に消費し始めると、インターネットが突然遅くなる場合は、別のモデルをテストするのもいいでしょう。
古いバージョンのWi-Fi・無線LAN
Wi-Fiは、他のテクノロジーと同様に、進化しています。
10年前のWi-Fiホットスポットを使用している場合、最新のものよりもパフォーマンスが低下している可能性があります。
5GHzの周波数帯は近隣の電波が入りにくいため、最低でもデュアルバンド(2.4GHzと5GHz)のWi-Fiルーターがあるとよいでしょう。
さらに良い方法は、Wi-Fi 6に対応したモデルにアップグレードすることです。
この最新世代のWi-Fiテクノロジーは、最速のワイヤレス接続速度と最高の全体的な受送信範囲を提供します。
デバイスの再起動が必要な場合があります
内部システムのエラーがインターネット接続に影響する場合、デバイスを再起動することで、この問題を解決することができます。
Wi-Fiに接続されているデバイス全部で接続が遅くなる場合は、デバイスとルーターの両方を再起動してみてください。
不要なバックグラウンドアプリやプログラム
バックグラウンドでプログラムやアプリを実行すると、帯域幅と処理能力が消費される場合があります。
特に接続速度の低下に気づいたときは、時々お使いの端末のバックグラウンドアプリをチェックするのがよい習慣です。
コンピューター上のスパイウェア
スパイウェアは、ネットワークトラフィックを妨害し、インターネット接続を独占して、インターネット速度を劇的に低下させることができます。
お使いのデバイスがさまざまなスパイウェアやウィルスに感染し、接続が完全に失われるまでに問題を悪化させる可能性があります。
これを防ぐには、スパイウェア対策ソフトで定期的にコンピュータをチェックしてください。
VPNは、インターネット速度に影響を与えますか?
はい、VPNはインターネットの速度に影響を与えます。
ただし、この影響がどの程度顕著かは、さまざまな状況(ISPがもともと提供するインターネット速度、インターネット接続の品質 (パケットロスの有無)、選択したVPNプロトコル、選択したVPNサーバまでの距離など)に左右される可能性があります。
無料と有料のVPNサービスの接続速度も異なります。
通常、有料のVPNは、利用できるサーバーロケーションがより多く、人為的な速度制限がないため、より高速です。
VPNがインターネット接続に影響を与えるかどうかを確認する方法は、以下のとおりです。
① VPNがオンのときとにスピードテストを実行します。
② VPNがオフのときにスピードテストを実行します。
③ ①と②の結果を比較します。
④ より正確な情報を得るために、一日のうちに何度かテスト(①〜③のステップ)を繰り返してください。
VPNが遅くなる理由は?
VPNが遅い理由としては、以下のいくつかの可能性があります。
VPNサーバーの場所
VPNがインターネット速度を低下させる最も頻繁な原因です。
VPNを有効にすると、すべてのデータは、物理的に別の国にあるVPNサーバーを経由します。
お使いのデバイスとVPNサーバーの実際の距離によって、データの転送にかかる時間が決まります。
VPNがインターネットの速度に与える影響を最小限に抑えるには、より近い場所にあるVPNサーバーを選択する必要があります。
この場合、データ・パケットが目的地に到達して戻ってくるまでの所要時間が短くなります。
通常、世界中の拠点の包括的なリストからVPNサーバーを選択できるプレミアムVPNの顧客にとっては、これは問題ではありません。
例えば、AdGuard VPNは、世界40カ国以上でのVPNサーバーを提供しています。
一方、無料のVPNサービスプロバイダーは通常、VPNロケーションの良い選択肢を提供していません。
VPNプロトコルの暗号化
VPNは、あなたのすべてのトラフィックのための暗号化されたトンネルを作成し、スヌーパーやハッカーに目立たなくさせます。
そして、暗号化のプロセスは、それなりの時間を必要とします。
高品質のVPNは、最新の業界標準の暗号化プロトコルを使用しており、ハードウェアアクセラレーションを活用してCPUとバッテリーの消費を最小限に抑え、VPNが遅くなるのを可能な限り防止し、データの強力な暗号化を保証することができます。
VPNが適切な種類の暗号を使用していることを確認するには、AES-128 または AES-256 を選択してください。
VPNプロトコルのもう一つの特性は、パケットロスに対する持続性です(パケットロスとはパケット損失のことで、モバイルネットワークを介してインターネットに接続しているモバイル端末では頻繁に発生します)。
データパケットの損失は、トンネル化されているインターネット接続の品質を劇的に低下させます。AdGuard VPN は、パケットロスの悪影響を軽減するVPN-over-QUICオプションを提供します。
VPNサーバーの負荷
同じVPNサーバーに多くのユーザーが接続すると、接続速度が低下します。
これは、顧客のために十分なVPNサーバーを提供していない無料VPNによく見られる状況で、これが発生するVPNは遅いです。
プレミアムVPNのユーザーは、通常VPNサーバーの過負荷に直面することはなく、VPN通信速度が高速で維持されることを確認することができます。
インターネット速度をVPNは高速化しますか?
前述したように、VPNによってVPN接続が遅くなる可能性はあります。
しかし、これは決して確実なことではありません。
それどころか、AdGuard VPNのような正しいVPNプロバイダーは、あなたのインターネット接続をより速くするのに役立ったりします:
1. ネットワーク中立性の原則を遵守しないプロバイダは、メディア/ゲームのトラフィックをシェーピングしたり、より長くより遅いルートでそれをルーティングしたりします。VPNは、トラフィックを暗号化することによってトラフィックをプロバイダーらから隠し、そのような"差別的"ルールを回避するチャンスを増加させます(=接続速度が速くなったりします)。
2. 一部のISPでは、非効率的なトラフィックルーティングの問題に遭遇する可能性があります。プロバイダは、さまざまな理由でユーザーの接続速度を減少させます。VPNを有効にすると、遠隔地のWebサイトやネットワークへのトラフィックのルートを「直線化」することで、この問題を軽減することができます。
3. AdGuard VPNは、すべてのトラフィックをQUICベースのトンネルにカプセル化するQUICトンネリングオプションを提供しています。QUICは、非理想的なネットワーク(モバイルネットワークなど)において、TCPに代わってより高速で信頼性の高いトランスポートプロトコルとしてGoogleによって発明されたものです。このオプションを使用すると、モバイル端末で電波が悪い時の接続速度を向上させることができます。
このように、VPNは、トラフィックの暗号化やプライバシーの保護以外にも、(特にしっかりしたVPNプロバイダーを選べば)接続を強化することができます。
なぜAdGuard VPNなのか
インターネットの速度を遅くするためにお金を払いたい人はいないでしょう。
幸いなことに、匿名性と高いVPN通信速度の両方をユーザーに提供するAdGuard VPNが存在します。
それに加えてAdGuard VPNが提供する利点は以下の通りです。
ユニークなVPNプロトコル
AdGuard VPNは、既製のソリューションを拒否し、代替プロトコルに比べて検出が困難で高速である自社開発のプロトコルを使用しています。
ウェブサイトの除外
AdGuard VPNでは、VPNをオフにするウェブサイトを指定することができます。また、その逆(VPNをオンにしたいサイトを指定する)も可能です。
アプリの除外
「スプリット・トンネリング」という派手な名前を持つこの機能は、前出の機能と類似しています。どのアプリに対してVPNをオン・オフにするかを指定できる機能です。
任意のDNSサーバー
AdGuard VPNユーザーであれば、ISPが提供するDNSサーバーに依存する必要はありません。既知のプロバイダーのリストからDNSサーバーを選択するか、独自のDNSサーバーを構成することもできます。
最高速度のロケーション
AdGuard VPNは、すべてのサーバーロケーションのPing時間を表示します。通常、Pingが最も小さいサーバーが最も速いサーバーです。Pingを確認してロケーションを選択することで、可能な限り最高の速度を得ることができます。
40カ国以上のVPNサーバー
幅広いVPNサーバーの中から選択することで、どこにいても高速で安定した接続を保証します。
QUICサポート
AdGuard VPNは、モバイルネットワークを介して接続している場合など、電波が悪かったり理想的でない条件下でもより良い接続品質を提供します。
キルスイッチ
VPN接続が突然切れた場合、自動的にインターネットから切断するという、VPN安全性に不可欠な機能です。
Wi-Fi自動保護
この機能は、安全でないWi-Fiネットワークに接続すると、自動的にAdGuard VPNをオンにします。
同時接続
AdGuard VPN 無制限版のユーザーは、同時に最大5台のデバイスをVPNに接続可能で、ログインできる端末数に制限はありません。
厳格なログなしポリシー
AdGuardはプライバシーを重視し、ユーザーのアクティビティログを収集・保存しません。
よくあるご質問
記事を読んだ後でも疑問があることについて説明します。
VPNはインターネットの速度に影響しますか?
はい、VPNを利用すると、インターネットの速度が遅くなる場合があります。
しかし、速度低下の度合いは、VPNサーバーまでの距離、VPNサーバーの負荷、VPNプロトコル、さらにはVPNプロバイダーによる速度制限など、さまざまな要因によって異なる可能性があります。
通常、有料のVPNプランには速度制限がないため、プレミアムユーザーはVPN使用中にインターネット速度が大幅に低下することはありません。
VPNがインターネットの速度を低下させないようにするには?
低速で信頼性の低い無料VPNは避けてください。
VPN接続の速度を可能な限り早くするために、自分の所在地に近いVPNサーバーを選択してください。
AdGuardのようなVPNプロバイダーの中には、VPNサーバーをping時間によってランク付けで表示するものもあります。この情報に基づいて、最も速いVPNサーバーを選択することができます。
VPNを利用すると、どの程度、インターネットの速度が遅くなりますか?
VPNを利用する際のインターネットの速度は、ほとんど気にならない程度の速度から、劇的に低下するものまで、大きく異なる場合があります。
インターネット速度を上げるにはどうしたらいいですか?
以下のような方法があります。
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スマートテレビなどの据え置き型デバイスは、Wi-Fiルーターではなく、ネットワークケーブルに接続する。
できるところではワイヤレス接続を置き換えることで、多少の不便さはあるものの、インターネットの速度に良い影響を与えることがあります。 -
ルーターを中・高価格帯の最新機種に買い替える。
低価格のルーターは、大容量のトラフィックに対応できない場合があります。 -
ルーターの一番いい設置場所を見つける
Wi-Fiは、ルーターと接続されたデバイスの間に明確な視線があるときに最もよく機能します。
また、2.4GHzではなく、5GHzの周波数帯を使用することがおすすめです。